ちょっと気になる話
コンビニ24時間営業の是非

 近年、コンビニの24時間営業の是非が取り沙汰されるなか、大阪のあるFC加盟店オーナーが、「人手不足で24時間はもう限界!」と時短営業に踏み切ったようです。それが契約違反ということで本部(大手コンビニ会社)と対立したことが、業界に波紋を呼びました。それを受けてか、セブンイレブンが一部の店舗で夜間休業の実験を始めると発表しましたが、それでも24時間営業にはこだわっているようです。
 既に一部のファミリーレストランでは24時間営業を廃止していますし、大手スーパーやその他の外食チェーン店などでも同様の動きが出ています。
 コンビニにかかわらず、深夜営業している店を利用したときには、便利さを気軽に享受しているものの、その反面、「こんな時間に営業していて採算は合うのだろうか?」と疑問に感じることがあります。実際に深夜1時から朝方にかけてはコンビニ店舗の大半が赤字だそうです。
 それならば深夜は閉めればいいのではと思いますが、深夜時間帯の売上が欲しくて24時間営業をしているわけではないのです。実は深夜営業を止めることで昼間の売上が約3割落ちるというデータがあるため、24時間営業にこだわっているのです。小売業界において、売上が3割も落ちれば深刻な業績不振となることは確実ですからね。
 とはいっても、人手不足のこの時代に24時間営業を続けることの物理的な困難さが増しているのが現実です。また、深夜営業が赤字(負担)になっているのは、FC加盟店(店舗オーナー)であり、本部(大手コンビニ会社)ではないということも問題視されつつあります。
 近い将来、AIの発達で無人化店舗というのも見えてはいますが、それまでの時間をどう切り抜けるかが、コンビニ業界の課題といえるのではないでしょうか。

吉田 茂
文責
本部長 税理士吉田 茂
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