10月中旬には、保険会社等から確定申告にかかる書類が届き始めることと思います。早くも確定申告を意識し始める季節となりましたが、税務当局は、個人の資産運用についての監視を強めています。また、気づかないうちに税務当局は多くの情報を把握しています。
例えば、保険の満期金や、一般口座を通じた株式等の売買取引については、支払調書により銘柄・売却額等を把握しています。最近では200万円を超える金地金の売買については取引業者に支払調書を提出するよう義務付けられました。これらの支払調書による報告があるのに申告書に記載がないと、申告漏れであるということが浮き彫りになります。
国外との取引についても、『国外送金等調書』により、一回当たり100万円を超える国外からの入金・国外への送金について金融機関から金額・口座番号・理由等が報告されています。これにより、多額の入出金がある場合は、国外財産や運用益の存在を想定して、申告漏れではないかとの「お尋ね」が税務署より送られます。
2012年の税制改正では、新たに『国外財産調書』の提出制度が導入されました。この制度は、年末時点で5000万円を超える国外財産を保有する人は、その財産の種類・用途・所在・価額等を税務署に提出しなければならないというものです。これまで把握しにくかった国外に有する不動産・貴金属・国外口座や国外発行有価証券等に対して、隠し財産等がないかどうかの監視を強化するようです。
税務当局は、さまざまな手段により多くの情報を把握していますので、申告漏れがないよう24年度の確定申告の準備をされる際、再度ご注意くださいますようお願いいたします。
迷われる事項につきましては、何なりとえびす会計までご相談くださいませ。