先日、タックスヘイブンにおける金融取引を記録したパナマ文書が公開され世界中で話題になっていますが、そもそもタックスヘイブンとはいったい何なのでしょうか。
タックスヘイブンとは、税金の免除された若しくは税率の著しく低い国や地域のことをいいます。
よく勘違いするのですが、タックスヘブン(税金天国)ではなく、ヘイブン(避難所、安息所)といい、日本語では「租税回避地」と訳されます。
では、いったい何が問題なのでしょうか?タックスヘイブンを利用すること自体は違法ではありません。
一般的な租税回避として、現地にペーパーカンパニー(現地で登記だけされている実態のない会社)を設立し、その会社を通じて取引を行い、自国で得るはずだった利益を海外に移してしまう手法が有名なのですが、今回スポーツ選手や俳優など一部の富裕層や大企業から大統領、首相といった各国のリーダーまでもが、実は自国の課税から逃げていたという点に批判が集まっているのです。
ただ、日本を含め各国の税務当局も黙っている訳ではありません。
日本では、2018年からマイナンバーと預金のひも付けにより個人資産の流れを把握しやすくするなどの対策も行っていくようです。このように、対策となる税制を設け租税回避の防止に取り組んではいるのですが、実務上意見の分かれるものや、判断するための要件に形式的なものが含まれるなど、どうしても抜け道をつくる余地を与えてしまうのです。
税金が義務として納めさせられるものではなく、自ら率先して納めたくなるような仕組みと使い道を国が示すことが出来れば、納税することも楽しみの一つになるのではないでしょうか。