ちょっと税金の話
相続税・贈与税一体化の議論開始

 年末も差し迫ってきましたが、年内に贈与を行う方も、既に行われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中、政府税制調査会が相続税・贈与税の一体化に向けた検討をスタートさせるというニュースがありました。
 贈与税は年間110万円までの非課税枠が設けられていたり、相続税と贈与税の税率の違いを活用して計画的に子や孫に財産の移転を行ったりということは有名ですが、今回政府は、「贈与と相続の垣根を廃止し、財産の移転時期に関わらず財産合計で税金を計算しよう。」といった考え方を導入したいようです。
 実は、アメリカでは生涯すべての贈与財産も含めて相続税が計算されています。驚きですが、これは一部の富裕層のみが対象のようですので、財産状況を把握できるのでしょう。これに対して日本で一個人の贈与を 生涯把握するという行為はあまりにも現実的ではありません。現在は、相続開始前の3年間の贈与についてのみ合算して相続税を計算していますので、この3年という年数を増やす方法が現実的かと個人的には考えています。
 何にせよすぐに決まる話ではありませんが、もし決定となればかなりの大改革になることは間違いないので、今後の議論に注目したいと思います。

岡 知洋
文責
税理士岡 知洋
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