経済産業省が公開している「給油所小売価格調査」によると、レギュラー1ℓあたりの全国平均価格は 2022年4月25日時点で172.8円であり、史上最高値は2008年8月4日の185.1円となっています。一見すると、史上最高値を超えていないように見えますが、現在、政府は石油元売りに対して25円/ℓの補助金を支給しており、この補助金を織り込んだ小売価格が172.8円となっているため、市場の実勢価格は、史上最高値185.1円を更新していることになります。今回の燃料高がいかに凄いことなのかがわかります。
1ℓあたりのガソリン価格には、ガソリン本体以外にもガソリン税53.8円(本則税率分28.7円+暫定税率分25.1円)が含まれています。暫定税率分の加算を停止することができるトリガー条項を発動させれば、172.8円が147.7円になるのでかなり影響が大きいです。「3ヵ月連続で160円を上回った場合」という要件は既に満たしており、すぐにでも発動して欲しいところですが、東日本大震災の復興財源にあてるために、2010年からトリガー条項の発動が法的に凍結されているため、法改正をしない限り、発動されることはありません。トリガー条項発動に関しては、与党にて協議がされていましたが、4月19日に当面見送ることで合意、引き続き検討すると発表されました。
燃料代の高騰は、運送業をはじめとした事業経営者の方々はもちろん国民生活にも大きな影響がありますので、これからも注目していきたいと思います。