CASE01
未払い残業代請求
広告業
社会保険労務士 髙橋 大生

「未払い残業代請求」と労働基準監督署からの
「是正勧告書」を現実的対応で解決

社会保険労務士髙橋 大生
相談内容

円満退職したはずの元従業員から未払い残業代請求が!

G社は和気あいあいとした社風で、肩書きにとらわれず、経営層から社員まで仲が良いことが自慢でした。ある従業員から独立したいと申し出があったため、社長は頑張ってほしいとの思いから、送別会を行い、笑顔で送り出しました。
しかし、しばらくすると、その元従業員から突然の未払い残業代の請求が! まさかの展開に、社長はショックを隠せない様子でした。それをきっかけに労働基準監督署の調査も入り、「是正勧告書」が届きました。法律用語も、状況もわからない社長は、藁にもすがる思いで、社会保険労務士法人みつばち えびす事務所の社会保険労務士に相談に来られました。

相談結果

問題は早期解決。
労働トラブルのリスク管理体制が強化されました。

原因は、みんなが明るく喜んで仕事をしていたので、ついついリスク管理のワキが甘くなっていたことでした。従業員との関係性が良く、いい感じで組織運営ができていると考えていた社長のショックは相当なものでした。
しかし、まずは目の前で起きている問題を解決すること。そして、新たな問題が発生しない制度や仕組みをつくること。社会保険労務士法人みつばち えびす事務所の社会保険労務士がその両方にスムーズに対応したため、社長もホッと、ひと安心されました。

具体的なご対応内容
未払い残業代請求の交渉、手続きを弁護士と連携。
まず、未払い残業代請求に対応することが必要でした。元従業員から弁護士を通じて請求があったため、提携の弁護士とともに戦略的に取り組むことにしました。
元従業員からの当初の請求額は相当な額でしたが、弁護士と協力して元従業員の勤務実態を詳細に検証し、相手側の請求内容を精査することで、妥当な落とし所での金額で和解に持ち込むことができました。
労務トラブルの法的リスクを軽減する新賃金体系を導入。
G社は、事業規模拡大につれて従業員も増え、それに伴い労務に関するリスクが大きくなっていました。しかし、従業員との関係性が良いことや広告業界の慣例的な考えから、リスク管理のワキが甘くなっていました。
そこで、現状の賃金体系では今後も同様の問題が発生する可能性を指摘し、リスクを回避する賃金体系を提案しました。今まで社会保険に未加入だったアルバイト社員の取り扱いを変える必要性が生じました。それにより、ある程度のコストが発生することになりましたが、助成金を活用することで、負担を軽減して新しい制度に移行することができました。
理想的な労務管理体制に段階的に移行。
労働基準監督署の「是正勧告書」への対応が求められましたが、全てにすぐ対応できる状況ではありませんでした。そこで、就業規則の見直しのほか、健康診断の定期的な実施、職種によっては36(サブログ)協定の締結など、何を、いつ、どの順番で実施していくか、G社の体制や経営状況を踏まえた現実的なロードマップを提示しました。「是正勧告書」に記載されていただけで10以上の違反項目がありましたが、1年半をかけて、完了することができました。
社長と従業員間の労働トラブルの発生リスクは、経営についてまわるものです。
社長と従業員の信頼関係が築けている場合は、そのリスクが顕在化することは少ないのですが、今どんなに良い関係であったとしても、何かの拍子で関係性が変わるかもしれません。また、従業員数が増えることで細かいところに目が行き届かなくなり、トラブルが発生するリスクも増大します。従業員とは暗黙の了解でよくても、労働基準監督署の抜き打ち検査が入る場合もあります。
労務問題対策は、理想を目指すだけではなく、「会社をいかに守るか」、「法的に問題はないか」という視点で考えます。その上で、どのように理想的な労務管理ができるかを、私たちは泥臭く考えます。
中小企業では「就業規則」をおざなりにしがちです。まずは、「就業規則」の見直しから始められてはいかがでしょうか?
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